日本のデジタルマーケティングは米国から1-2年遅れている
広告運用、パフォーマンスマーケティングの最後に、メディア、特に、Globalメディアとのリレーションの重要性について私の見解を述べたいと思う。ただし、この話を読んでも、実行できるのはある一定以上の広告費を使える企業に限定される話なので、まだまだ成長途上だという会社は、将来こうなれるようにということで参考にしてもらいたい。
日米で20数年デジタルマーケティング、特にパフォーマンスマーケティングをしてきて思うのは、残念ながら日本は少なくても米国の最先端の企業と比較して2年程度遅れている印象がある。最近は1年くらいに短縮されているのかもしれないが、タイムラグが一定あるのは事実であると思う。原因は、GoogleなどのGlobalメディアのサービスの日本向けのローンチが米国よりも遅い場合が多いことであるため、致し方ない部分もあるのかもしれないが。
いずれにしろ、そのような事実がある前提で、自社のパフォーマンスマーケティングのPDCAのクオリティを上げるために考えるべきポイントをここでは話したい。それはGoogleやMetaなどのGlobalメディアとダイレクトでリレーションを構築する重要性である。最初に広告費に言及したのは、現実的にはある一定規模の広告予算がないとメディア側も手厚いサポートを出来ないと思われるからである。
私がこのように考え始めたのは、やはりUSでの経験が大きい。USで仕事をして、日本のメンバーと話をすると、当初は残念ながら情報量に明らかに差を感じることが多かった。なかなか、日本だけでマーケティングをしていると感じられないことだったので、最初は少々驚いた記憶がある。
しかし、3年半後に帰国して、日本に帰国して早々に自社運用の規模を急速に拡大したことが原因だったような気がするが、Google Japanの営業チームと直接のリレーションができ、様々な情報交換や学びの機会を提供していただけるようになった。そのような交流を続けていく中で、自社のチームメンバーも私自身もGoogle社からGlobalの最新事例のキャッチアップの速度が早くなり、日米の情報格差の縮小を強く感じることができた。
Globalメディア企業には世界中の成功事例が集約されている
メディア別の説明をお読みになった方はご理解いただけていると思うが、残念ながらデジタルマーケティングの世界で、日本が世界をリードしている技術や手法というのは非常に少ない、もしくは、ほぼないのが現状である。しかし、先進国であるUSには、世界中の成功事例の情報が集約され、より多くの情報が活発にやり取りされている。日本国内で日本の最新事例を学んでいるだけでは残念ながらGlobalでの競争を勝ち抜くことは出来ない。日本のマーケターには是非海外の最新事例から学んでもらいたいと思っている。
そのための最も有効な手段がGoogleを始めとしたGlobalメディアと強いリレーションを作ることなのではないかと思っている。残念ながらデジタルマーケティングの世界というのは日進月歩なので、本を読んで最新事例を勉強することはできない。おそらく本になった時点でその情報は古くなっている。実は意識してこのBlogで最新の事例を紹介せずに、非常にベーシックで概念的な話を中心にしているのもそれが理由であったりする。
最新の機能や手法には積極的にチャレンジするチームを作る
あまり勝手なことをいうとGoogleの方に怒られるかもしれないが、私のお勧めのリレーションの作り方は2つである。まず、提供される学びの機会には可能な限り全部参加すること。二つ目は、彼らが紹介してくれた新商品はとりあえず試してみること。この2点は多少無駄もあるかもしれないが、1)日本のトップランナーになるチャレンジをし続けるという実質的な効果と、2)最先端のパフォーマンスマーケティングにチャレンジするチームであるということをメディア側にアピールする良い機会であると思っている。
そのような取り組みを続けていれば、必ず自社のチームメンバーの目線も高くなり、目指すべき理想の姿も洗練されたものになる。はっきり言って、損になること何もないと思うので、是非積極的にチャレンジしてもらいたい。