広告代理店のタイプと代理店内のチームの人員構成とその役割まで分かれば、基礎的な知識は整ったといえるので、いよいよ代理店を選定するポイントについての私の考え方を説明する。
ここまで読んだ方ならご納得いただけると思うが、まずとにかくよい代理店を教えてくれという質問は、愚問である。なぜなら、そんなオールマイティな代理店など存在しないからである。
その前提で、自社に適した代理店の選定のポイントを整理してみよう。
- 自社の課題、目的にあった代理店を選定する
- 予算の規模にあった代理店を選定する
- 提案内容がよい代理店を選定する
- 営業をはじめとするプロジェクトチームメンバーの構成をみて選定する
自社の課題、目的にあった代理店を選定する
代理店のタイプ別分類を説明した理由は正にここにあるが、自社の目的にあった広告代理店を選定することは大前提である。極端な例でいえば、TVCMをやりたいのにデジタル系の代理店にプランニングをお願いしてもそもそも実現性がない。
また、別のよくあるよろしくないパターンは、自社の課題や目的がよくわからないので、そこから代理店にお願いしようというパターンである。そもそも代理店に何を頼んだらよいか分からない状態で、課題も明確になっていないのに、代理店から自社に最適な提案をもらえるわけもない。
正直、だいぶ初歩的な話な気がするが、実は世の中このような話が小規模な会社程で多発しているというのが実態である。特に、このようなケースに陥りがちな企業に多いのは、社内にマーケティングの担当者がいないか、マーケティングの担当者はいるがマーケティングの未経験者を無理やりマーケティング担当にしてしまっているようなパターンである。このような会社の場合、私のアドバイスは大変かもしれないが、代理店選びに悩むのではなく、スキルと経験のあるマーケティングの担当者を採用することから始める方がよいと思う。そもそも、そのような人材が社内にいなければ、ここでこれから説明する代理店の選定基準について判断することもできない。
このような状況が発生するのは実は日本独特な気がする。そもそも日本においては、広告代理店が企業のマーケティング部門の役割を担ってきた側面が強い。このため、事業会社内でマーケティング担当者を置かず、誰かが片手間で代理店の窓口をしながら、実際のマーケティングは広告代理店が行うということが、結構普通に行われてきた。しかし、このような体制で事業を進めることが健全であるとは私は考えていない。
このような話をするとよく出る反論が、マーケティングの規模が小さすぎて1人月分のマーケティングの業務量がないのでリソースが余ってしまうというものがあるが、この意見にも同意できない。申し訳ないが、そのような状況が長期的に続くような事業に将来性があるのだろうか?私が新規事業の責任者であれば、スキルあるマーケティングの担当者を諦めるのではなく、多少短期的な利益を諦めて、マーケティング担当者をきちんとアサインして、マーケティング効果の加速により計画よりも早く事業が成長し、マーケティング担当者の人件費がでるくらいの規模に成長できるように検討する。
おそらく、欧米の企業の経営者であれば当然そのような判断をする。相当小規模な企業であっても、多くのスタートアップのベンチャーは必要な場合は早い段階でマーケティングの担当者を置くケースが殆どである。それはおそらく、人材の解雇のしやすさのような話も多少影響しているのかもしれないが、米国はともかく欧州の国においては必ずしも日本より社員が解雇しやすいとも私は思わないので、やはりマーケティングは素人+広告代理店でも出来てしまうと考え、マーケティングを軽視している経営者が日本には多すぎるのだと思う。
という分けで、代理店選定の最初のポイントは、自社の課題・目的にあった代理店を選定することというのが大原則である。もしその課題が「マーケティングが上手くいかない」という大雑把な話であれば、あと2段階くらい因数分解して、なぜ上手くいっていないのかを代理店に依頼する前に自分で分析することから始めることをお勧めする。それすら分からないということであれば、まずその状況分析をするスキルがある人間を採用すべきである。私の予想では、結構高い確率で、良い代理店が選べていないのではなく、違うところに原因があるのではないかと思う(会社の宣伝をすると、どのような人を採用したらよいであるとか、現状のマーケティングの課題がわからないというご相談はお気軽にご連絡ください)。
予算の規模にあった代理店を選定する
次に考えるべきは、自社の予算の規模にあった代理店を選定することである。必ずしもそうであるとは限らないが、一般的には、大規模な広告代理店で良いパフォーマンスを出すためには、それなりの規模の広告予算が必要だと考えたほうがよい。
理由は、ちょっと考えればわかると思う。大手の代理店が大手である理由は、普通に考えると大口のクライアントを多く抱えているからだと考えるのが自然である。では、その前提で質問である。ある大手代理店に新規で3つのクライアントが依頼をしてきたとする。A社の月額広告予算は1億円、B社は1千万円、C社は100万円とする。代理店手数料率は3社とも同率である。さあ、この代理店はどのクライアントに優秀な人材をアサインするだろうか?当然A社に決まっている。A社の売上が明らかに大きいからだ。C社の予算は月額100万円とそれほど小さく見えないかもしれないが、A社との予算の差は100倍である。これでC社をA社と同様に質量ともにリソースをかける広告代理店があると思うのは楽観的過ぎる。
非常に世知辛い話ではあるが、残念ながら自社の広告予算の大きさは、代理店の業務クオリティを左右する相当大きなファクターであることは理解しておくべきである。
私のお勧めは、予算規模がある程度小さい場合は、代理店に支払う手数料分を人件費に回し、スキルのあるマーケ担当者を採用して自社運用するか、小さな予算でも良いクライアントとして優先順位高くサポートしてくれそうな代理店を探すのが現実的だと思う。ただし、繰り返しになるが、私としてはまずは、前者を優先して検討する方が良いと思う。
では、それぞれの代理店でどのくらいの予算規模が必要かという質問が出てくる気がするが、正直私も分からないし(というか、小規模なものを代理店に依頼するということを余りしたことがないので)、公にいうことがいいとも思わないので、ここでは控えさせていただく。代理店に依頼する際に、正直に予算を話して、聞いてみるしかないが、手を抜いてやりますという営業担当は普通はいないので、見極めスキルがないと、結論としては自社の予算規模がその代理店に対して十分なのかどうかの判断の判定も難しい。
提案内容がよい代理店を選定する
これも、それが分からないから困っているという悲鳴が聞こえてきそうだが、そもそも代理店の提案の良し悪しが分からないレベルのマーケティングのスキルしかない会社が、代理店を活用して中長期的にマーケティングのパフォーマンスをあげられるかと問われれば、私は疑問に思う。たとえ、どんなに素晴らしい代理店でも、マーケターでも最初の想定通りに上手くいくことはど殆どない。最初のプランが想定通りか、想定以上に上手くいったとしたら、それは運がよかったと考えたほうがよい。このため、代理店の提案というのは、その通りに行くか行かないかではなく、どういうロジックで現状より改善できると想定しているのかを理解することが重要である。このため、代理店の提案の精査し、その背景のロジックを理解する自信がない会社は、まずそれができる人材を採用することを優先すべきだと考える。
ということで、ある程度代理店の提案を精査できる前提で、なにを見るのかを説明したい。といっても、これもひとつのソリューションがあるわけではなく、過去に同様の施策の実績があるかどうかで変わってくる。
すでに自社や他代理店での実施実績がある場合
当然、過去に同様の施策、特に運用系のパフォーマンス広告などで過去に運用実績のあるアカウントの代理店の変更などのシチュエーションでは、代理店の提案と比較可能なBeforeのデータがあることが一般的なので、具体的な内容が検討可能だと言える。
例えば、過去にスキルレベルの低いチームで自社運用をしていた場合で、代理店のアカウント分析の結果、大幅な改善が見込まれるといった場合は、私の経験上、専門スキルの高い代理店に運用の提案をさせると大幅なパフォーマンス改善の提案をもらえることも多い。そのような場合は、代理店の提案内の改善ポイントについて詳細に質問をして、その回答に現実味があるかを納得いくまで説明してもらえばよい。基本的には、自社運用チームのスキル不足による運用パフォーマンス低調が問題であるので、説明に納得感があれば、提案の実現可能性はそれなりにあるかもしれない。
一方で、すでに代理店に運用を委託しているアカウントのパフォーマンスが悪く、別の代理店に提案を依頼したら大幅に改善するという提案が出てきたら、それは提案の精査以前に、なぜ現状がそうなっているのかの分析をするべきである。
一部のエッジの立った代理店は別にして、昨今のGoogleやMetaなどのGlobalメディア系の広告運用ノウハウというのはメディア側からの情報開示がそれなりに定型化されているため、広告代理店間で大きな違いがないことが殆どである。このため、実は広告のパフォーマンスというのは、代理店独自の特殊なノウハウにより生まれているのではなく、代理店の担当者と自社の担当者がどれだけ手を抜かず、愚直に改善を続けるかどうかで差が出てくることが殆どである。
と考えれば、ある代理店から別の代理店に変更をして大幅にパフォーマンスが変わるというケースは、可能性として3つしか考えにくい。①既存の代理店のスキルレベルが低い、②既存代理店の担当者がリソースをかけて運用をしていない(手抜き)、③自社の担当者の代理店へのディレクションが不適切で代理店に無理やり誤った運用をさせている。
①についてはその代理店は問題外なので、即変更したほうがよい。ただ、デジタルの経験が殆どない会社に無理やりデジタル広告の運用をやらせたというような代理店タイプの選定ミスのようなことでもない限りそのようなことは殆ど起こりにくいと思う。なぜなら、パフォーマンス広告というのは明確に結果がでる世界なので、会社自体にノウハウがなくパフォーマンスが出ないのであれば、そのような会社は確実に生き残っていけないからである。その意味では、急速に人がやめて業績が悪化していそうな代理店などは注意が必要だが、急成長していなくても安定的に運営されていそうな代理店であれば、①が理由である可能性は低いと考えて、他のふたつの可能性をまず疑った方がよい。
②は、私の経験上最も可能性が高い。よくあるパターンは、広告運用の詳細についてお任せで難しいことを言わなかったり、自社の担当者も片手間なのでちゃんと進捗を見られていないなどのケースでは、はっきり言って代理店も手を抜きがちである。手を抜く方法は2つである。単純に時間を使わないか、スキルの低い新人等に運用を任せて社内のスキルの高い人材がサポートしないかのどちらかである。パフォーマンスの広告は、最近AI化が進んでいることもあり、広告アカウントを一度設定してしまえば、その後は月次の予算設定などを変更する以外は、極論何もしなくても先月と同じ方法での広告配信は自動で行われる。このため、どの代理店もそうだとは言わないが、手を抜こうと思えばいくらでも手を抜けるのである。しかし、競合相手が市場の状況に対応して、ABテストを繰り返し、アカウントをブラッシュアップしていたりすると、こちらは何も変えなくてもパフォーマンスが悪化していくということは普通に起こる分けである。ある程度スキルのある代理店に依頼して、パフォーマンスが低いということは、そもそも代理店が真面目にやっていない可能性が高い。
③は②の次にありがちなパターンである。代理店の運用では、広告のパフォーマンスが悪くなったときに、結果のみを見て代理店の担当者を激しく叱責し、早急な改善を求めるが、実はパフォーマンス悪化の原因は自社要因でなく市場要因による悪化で、すぐに打てる手がないということがよく起こる。ただ、その原因も理解せずに、パフォーマンスが落ちるたびに理不尽な叱責を続けていたりすると、代理店の担当者も苦し紛れに正しいかどうかでではなく、その場を切り抜けるための返答をせざるを得ない状況になったりする。こういうことが繰り返されると、誰も悪意はなくても広告のアカウントが、本来あるべき代理店の成功ノウハウから異なる状態に変質していったりしてしまう。もちろん、そのような対応をしてしまう代理店もよくないのだが、私の知る限り、代理店の担当者を詰めることが自分の仕事だと思い込んでいる事業会社のマーケティング担当は世の中非常に多いので、実は結構よくある話である。
既存の代理店のアカウントを分析して、別の代理店が大幅にパフォーマンスが改善すると提案してきたら、代理店の良し悪しの前に、まず②か③の状況が起こっていないかを検討することをお勧めする。なぜなら、この点を改善しない限り、代理店を変更しても中期的には同様の状態に収斂していく可能性が高いからである。きちんと自己分析し、自社の運用に問題があったのであれば素直に代理店の提案を受け入れてもよいし、②、③の問題があるとしたら、それが再発しない自社側の運用体制も併せて検討しなければならない。
過去の実績のない全く新規の施策の場合
以前も市場分析の説明で同様の話をしたが、はっきり言うと全く新規の施策であったり、経験のない新規の市場であったりすると、代理店の提示するシミュレーションに現実味があるのかどうかをクライアント側で判断するのは難しいというのが現実である。なぜなら、論理的にその実現性を判断する比較材料が手元にないからである。
このようなケースにおいては、提案内容の正しさを一生懸命検証するよりは、4つ目のステップの代理店で自社を担当してくれるメンバーの質で選ぶ方が現実的であるが、それでも、いくつかチェックするポイントがあるので、少しでも自社の決断の納得感を上げるためのアイディアを提案する。
といっても思いつくのは二つ程度である。①同業他社等の類似事例を開示可能な範囲で資料に盛り込んでもらう。②Googleで入手出来る市場データをなるべく多く盛り込んでもらう。
①については、みなよくやる手であると思うが、有効である。そもそも、自社運用と代理店運用の2つの選択肢がある中で、デジタル広告の運用手法が標準化されてGoogle等のメディアから情報が開示されているのであれば、日々の運用スキルについては、どちらの選択肢でも大きな差は出にくいはずである。これは代理店間で差がでにくいのと同様である。と考えた時に、広告代理店と事業会社の一番の違いが何なのかといえば、それは広告代理店として複数の企業のマーケティングのサポートをすることで集積された、様々なシチュエーションにおけるソリューションの事例の量であると私は考えている。事業会社のきちんとしたマーケティング組織であれば、自社のマーケティングの状況や施策の評価については、代理店の担当者よりもクライアントの担当者の方が深く分析し、考えていなければならない。しかし、事業会社のマーケターの問題点は自社の施策以外には詳細なデータや情報が入手出来ないことである。代理店の付加価値は個別の案件の理解の深さでは当事者企業にはかなわなくても、個別の事業会社の前に立ちはだかる問題に対するソリューションをどれだけ多くストック出来ているのかなのだと思っている。
そう考えれば、何か新しいことをやろうとしたときに、私としては可能であれば、他社での事例の土台の上に検討された提案を代理店には提案してほしい。別にゼロベースで考えることに価値がないとは言わないが、それであれば、自社でもできないことはないのだから。
②については、①に適切なソリューションがない時には持ってきてもらいたい情報である。特に最近のGoogleなどはキーワードプランナーやリスティング広告の競合シェア情報など市場把握のための情報ソースが充実しているため、自分でやれば出来ないことはないが、クライアントが見られない業界の情報などデータ的な裏付けを強化する方法は可能な限り求めたい。提案の客観性が出来るだけ高まるように可能な限りのデータの充実は依頼したいところである。
自分でも後者については、それほど新規性の高いアイディアではなく、すでに多くの企業が実践していると思うので申し訳ないが、前者の既存の施策のパフォーマンス改善の提案については、提案内容の良し悪しだけでなく、なぜ現状が上手くいっていないのかを出来るだけ正しく把握する努力をすることをお勧めする。
私の経験では、代理店で運用していて、上手くパフォーマンスしていない理由は、代理店だけに問題があるケースは殆どなく、同様かそれ以上に自社に問題があることが多い。
営業をはじめとするプロジェクトチームメンバーの構成をみて選定する
最後の判断ポイントは、実際に一緒に仕事をするメンバーをみて判断する方法である。
これが広告代理店内のチームの人員構成を説明した最大の理由なのであるが、会社単位でよい広告代理店という評価は私はしないし、余り意味のない評価であると思っている。なぜなら、広告代理店のパフォーマンスの良し悪しを左右する最大のキーポイントは自社を担当する営業の窓口の人間の質であり、どんなに良いといわれる代理店であっても、能力の低い営業に当たってしまったりすると、パフォーマンスが上がらない可能性が高いからである。分かりやすく言えば、評価の高い代理店の50点の営業と評価の低い代理店の80点の営業の場合、企業としての評価は低かったとしてもプロジェクトとしては評価の低い代理店を選んだ方が成功の確率が上がる可能性も否定できないのだ。
もちろん、プロジェクトの規模に応じて、その営業の担当のカウンターが一営業担当であったり、部長、本部長、社長と変わっていくことはあり得るが、どのレイヤーであっても、自社の実質的なカウンターとなる営業の責任者が、プロジェクトメンバーの陣容を状況に応じて差配していくので、このカウンターの人材の質が重要になる。
私の経験上、この営業責任者のスキルが高いプロジェクトチームは、CD以下のクリエイティブチームに適切な人選をしてくれることが多いので、上手くいくかは別にして、お願いした人の質が原因でプロジェクトが失敗したと後悔することはあまりない。
特に、前述のように、自社に比較対象事例がない新規性の高いプロジェクトについては、私は基本的には相手のプロジェクトチームを信用できるのかどうかを、代理店選定で重要視している。
このため、発注側のマーケティングの責任者は、発注決定後も定期的に代理店の現場の責任者クラスの人物とはコミュニケーションをとり、オペレーションフェーズでのパフォーマンスや自社へのコミットメントの状況などを把握しておく必要がある。そもそも人が選定基準の場合、そのチームが高いコミットメントで自社に向き合ってもらえないとそもそもパフォーマンスが出ないからである。
マーケティングの責任者の経験をある程度持っている人間であれば、ひとつのプロジェクトについて突っ込んだ議論を30分程度すれば、相手がどの程度深く考え、またバックグラウンドにスキルと経験があるのかは概ね判断できると思う。ここでも同じことをいうが、代理店と日々のオペレーションを正しく行えない、代理店の提案の良し悪しも判断出来ない、代理店のカウンターとなる担当者のスキルレベルも判断できないというレベルのマーケティングスキルしか自社にないのであれば、問題は正しい代理店の選定ではなく、自社のマーケティングのスキルレベルが低すぎることをまず改善しなければならない。
良い代理店を選ぶ前提は、自社でそれを見極める目を鍛えること
広告代理店というのは、間違っても自社のマーケティングを丸投げして、Strategy, Execution, Operationのすべてを丸投げしてやってもらう役割ではない。もちろん、代理店の立場でいえば、そのような何も分かっていない顧客は扱いやすく、さらに予算が大きかったりすると絶好の鴨であったりするのかもしれない。しかし、自社のマーケティングをレベルの高いものにするのであれば、当然そのような良いお客さんになってはいけない。
上手に広告代理店を選び、パートナーとして継続的に仕事をするためには、まず自社のマーケティング人材の力を向上させていかなければならい。