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Super High-Speed PDCA
Analyze! Analyze! Analyze!
Data is God!
多くの日本企業では伝統的に技術開発と営業に重点が置かれて経営がなされてきました。それは1990年代までのプロダクトアウト的なビジネスモデルで商品開発を行い、良いものを作れば売れるという発想が通用した時代には理にかなった経営方針であったと考えています。
しかし、1990年代後半以降のインターネットの発展と、デジタルマーケティングの急速な拡大により、企業のおかれている事業環境は大きく変化しました。モノとサービスが一体化し、サービスが差別化の主要因となる。今日のスマートフォンを見ると、それは明らかだと思います。そして、日本企業はこのグローバルにおける競争に30年の間で、完全に負けてしまったというのが現実だと思います。なぜなら、多くの日本企業にはサービスを継続的に改善し、グローバルでエンドユーザーの獲得を拡大し続けるというマーケティングを実現するためのスキルが備わっていないからです。私はバブル崩壊後の30年間が失われた30年となってしまった大きな原因の一つはこの点にあると考えています。
私がそれを痛感したのが、2012-2015年というまさにスマートフォンの普及期に、その中心となった米国のシリコンバレーで仕事をした3年間でした。AppleとGoogleというスマートフォンの2大巨頭と仕事をし、日本発のゲームをいかにグローバル向けに売り込んでいくか。日本企業と海外のTop企業の間で最も差を感じたのは、グローバル展開を当然のことと捉えて商品・サービスを開発し、市場・顧客と向き合いながらサービスの改善・運営をし続けるスキル。そして、グローバル展開を実現するためにグローバル市場に向けてデジタルマーケティングを展開するスキルでした。
マーケティングという分野は、インターネットの普及によりこの20年で最も変わった事業環境の一つであると私は考えています。それはクリエイティビティやセンスが中心であった世界から、データに基づいた分析と超高速のPDCAにより構築された戦略とオペレーションの世界へと変わり、組織に求められるスキルもより専門的になりました。そして、それを実現できる組織と人材を継続して拡大し続けることが成功への最重要なポイントとなりました。自分でも書いていて、目新しいことを書いていないのは自覚しています。しかし、この当然のことを徹底的に行い、グローバルな競合企業と差別化できるレベルのマーケティングチームを持っていると言い切れる日本企業がどれだけいるでしょうか?
以前、ある米国の超有名戦略コンサルティングファームのパートナーに戦略とは競合と違うことをすることで、私の考えには戦略性が足りないといわれました。私はこの指摘に対して、「外形的に模倣しやすいようなチープな差別化の議論に興味はない。オペレーションエクセレンスに裏打ちされた事業戦略にこそ意味がある。私は、変化球を駆使して打者を抑えるピッチャーではなく、誰も打てない170キロのストレートを投げられるピッチャーのようなマーケティングチームを作る。」と宣言しました。これがData Driven Consultingの基本コンセプトです。
私は1999年以来、一貫してデジタルビジネスの世界でマーケティングと事業・サービス開発に携わってきました。事業会社においては、グローバルに通用するマーケティングチームを作り、日本企業の商品・サービスをグローバルに展開するという仕事が実現できたと自負しています。当社の設立にあたり、今度はクライアント企業へのコンサルティングサービスを通じて、より多くの日本企業において、同様の成果を実現させたいと強く考えています。
2024年1月 堀内 公博